働き方改革やコロナ禍における不況で、フリーランスに対する注目は日に日に高まっています。
フリーランスが人気となる背景には、子育てや介護をしながらの仕事が余儀なくされる時代で、時間と場所に縛られない働き方であることや、ストレス社会で人と接する会社員よりも、個人で働くスタイルが好まれることがあげられます。
しかしフリーランスの生活は決して安定していないことに加え、加入できる保険や老後にもらえる年金が少ないといった不安要素もあるため、フリーランスはお金のことをしっかりと理解し、備える必要があります。
今回はフリーランスになった場合の人生設計と、会社員生活では実現が難しい、フリーランス特有の夢のある生活についてご紹介します。
フリーランスが考えるべき「人生」のテーマ
「人生設計」と「お金」は切っても切り離せない関係です。
会社員のお金事情と、フリーランスのお金事情は大きく異なり、会社員時代に描いたビジョンは、フリーランスになってから実現が難しくなる可能性があります。
ここからはフリーランスのお金事情を紹介しつつ、フリーランスの生活がどういったものかを説明します。
フリーランスのお金事情
結論からいうと、フリーランスの生活は会社員よりも安定性はなく、お金事情も決して安定していないのが現状です。
フリーランスは仕事の営業と受注をすべて自身で行う必要があり、仕事の獲得は決して容易ではないことが理由として挙げられます。
また、会社員が加入できる保険とフリーランスが加入できる保険は異なり、受けられる保障も水準が低くなってしまうため、生活の安定を保ちづらい背景があります。
こうした安定していないフリーランスという働き方は、ローンの審査が通りにくくなってしまうこともあり、描いたビジョン通りに生活を送れない可能性もあります。
人生設計を構築するうえでいかに社会的な信頼を得られるかが重要なポイントになるでしょう。
どんな人生を送りたいか
フリーランスは安定性を保つのが難しい働き方ですが、どんな人生を送りたいかで働くスタイルを自由に設定できるため、多くの可能性を秘めています。
家族をしっかりと養いたい場合は、住宅ローンや教育ローンなどを組むためにも、ある程度安定した収入を得て、社会的信用を維持することが大切になります。
夫婦のどちらかが会社員で、片方がフリーランスといった家族構成も選択肢に入れるといいでしょう。
また、老後にどういった生活を送りたいかをしっかりとイメージする必要もあります。
フリーランスが加入できる国民年金は、会社員が加入できる厚生年金よりも支給額が少なく、単純にフリーランスのままでは老後の安定が確立できない可能性があります。
こうした場合は、個人事業を法人化し、よりよい保障を受けられるよう工夫することをおすすめします。
何を生きがいとするか
前述したように、どんな人生を送りたいかで、働くスタイルを自由にカスタマイズできるのがフリーランスの魅力のひとつです。
しかし何を生きがいにするのかによっても働くスタイルは多種多様に変えられます。
例えば、誰か・何かの役に立つことで生きがいを感じる方、また趣味を生きがいに感じる方など、自身の生きがいに直接関係する仕事を選んで就業できます。
フリーランスの仕事は常に孤独感・閉塞感と隣り合わせのため、自身としっかりと向き合い、生きがいは何かを明確にする必要があるでしょう。
フリーランスで実現できる夢の生活とは?
フリーランスという働き方は多くの可能性を秘めており、会社では実現が難しい夢のある生活を送ることも可能です。
実際に送れる夢のような生活について具体的な例を2つ紹介します。
ワーケーション
仕事(ワーク)とバケーションが合わさった造語で、ワーケーションという言葉をご存じでしょうか。
このワーケーションの意味は、オフィスではなくリゾート地などで仕事をすることをいい、コロナ禍で注目されている働き方のひとつです。
ワーケーション行うことで得られるメリットは、気持ちが落ち着けるようなリラックス空間で仕事をできるだけではなく、案件を遂行する上で新たな刺激を受け取れるだけでなく、仕事の質を高めてくれることも期待できます。
しかしワーケーションを行う上で気を付けるべきポイントは、しっかりと働く環境があるかどうかです。
仕事とバケーションの両立が前提のワーケーションで、バケーションの方ばかり集中してしまう場合は本来の目的が成立しなくなってしまいます。
事前でネットで調べ、安定したネットワーク環境が整っているのか、集中できる環境・空間があるかを確認しましょう。
マルチハビテーション
落ち着けるバケーションで仕事をするワーケーションとは違い、住む家を複数持ち、違う家を行き来するマルチハビテーションというライフスタイルも実現できます。
このマルチハビテーションは、主に都市部に住む人が田舎に別荘を持つことを指し、自身のライフスタイルや仕事の進捗具合で自由な生活を送ることができるライフスタイルです。
マルチハビテーションのメリットは、仕事とプライベートの切り替えが行えるため、心身ともにリラックスできることです。
また、子供がいる方は子供をのびのびと育てることができ、子供がいない夫婦であれば趣味に没頭でき、スローライフを送ることができます。
しかし別荘を持つには、固定資産税や光熱費などの多くのコストがかかり、安定した収入を維持しなければ実現が難しいでしょう。
まずはしっかりと資金計画を行い、自身の歩みたい人生や理想のライフスタイルを総合的に考え、検討するようにしましょう。
まとめ
フリーランスという働き方は、安定性がなく、常に不安と向かい合わせの生活になってしまう場合もありますが、自身の人生設計や理想のライフスタイルに合わせた多様な働き方ができます。
フリーランスとして仕事をする上で避けなければいけないことは、将来のビジョンを設定せず、ただ闇雲に生活することです。
記事の中で述べたように、フリーランスは常に孤独と向き合いながらの仕事になり、生きがいややりがいを感じにくくなってしまいます。
フリーランスとして成功し、充実した生活を送るためにも、自身が望む将来とライフスタイルを明確にしましょう。