昨今、業種を問わず多くの企業で働き方改革が取り組まれています。
共働きが当たり前となった現代で、仕事に対するニーズが変わってきていることに加え、もともと問題であった日本人の労働時間の長さを改善する動きが始まっています。
さらに今、コロナ禍で世の中の常識が大きく変化し、働き方の変化はより活発的になり、リモートワークやフレックス勤務の導入や、副業を許可する企業が多くなりました。
日本人が好きな時間に好きな場所で仕事をすることを求め始めた今、フリーランスという選択肢を選ぶ方も少なくありません。
今回はフリーランスにスポットライトを当て、フリーランスとして働くとはどういうことなのかわかりやすく解説します。
働き方改革とは?
近年、働き方改革という言葉をよく耳にするようになったのではないでしょうか。
ここからはどういう目的で働き方改革するのか、主なメリット・デメリットについてご説明します。
なお今回は、厚生労働省による「働き方改革特設サイト」の内容から詳細を記載しております。
参照:働き方改革特設サイト
働き方改革の概要や目的
働き方改革が注視されるようになった背景には、残業の常習化や高齢化社会、並びに少子化による人口減少などの問題を解決する目的があります。
人口の減少は、働き手の減少も意味しており、特に女性や高齢者の働き手を増やすことと、少ない時間と人で生産性を上げるのが急務となっています。
こうした日本国内における課題を解決するために、国を挙げて取り組んでいるのが働き方改革です。
参照サイトの「働き方改革特設サイト」には以下のように記載されています。
参照:働き方改革特設サイト
「働き方改革」は、働く方々が個々の事情に応じた
多様で柔軟な働き方を自分で「選択」できるようにするための改革です。今まで
日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働く方々のニーズの多様化」などの課題に対応するためには、投資やイノベーションによる生産性向上や、就業機会の拡大、意欲・能力を存分に発揮できる環境をつくることが不可欠です。
↓
これから
働く方の置かれた事情に応じて、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指します。
働き方改革のメリット・デメリット
働き方改革を進める中で、従業員・企業にとって以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット | |
従業員 | ・労働時間が減る ・ライフワークバランスが保てる ・ストレスが減り健康的になる | ・高い生産性が求められる ・給料(残業代)の減少 ・部下と会話が減り管理が難しくなる |
企業 | ・従業員の生産性が向上する ・余分な残業代をカットできる ・求職者へのアピールにつながる | ・未完の業務が発生しやすい ・案件が減り利益が減る可能性あり ・新たなツール導入でコストがかかる |
働き方改革に関する施策は多種多様ですが、労働時間の短縮は企業にとっても従業員にとっても大きなメリットであると言えます。
残業時間が減少すれば、従業員は仕事以外に時間を使え、充実したライフワークバランスを保てるのではないでしょうか。
決められた時間内に仕事を完結させる意識を高く持つことで、生産性の向上・より効率的な仕事へと変化していく可能性があります。
また、テレワークや残業が少ない仕事は求職者からのニーズも高く、働き方改革を取り組んでいる企業は外部からの印象がよくなる傾向です。
一方で、限られた時間内に仕事を終えることは決して簡単ではなく、各従業員のスキルが求められ、仮に時間内に終わらない場合は仕事が溜まってしまう可能性があり、管理職の管理能力がより一層求められると言えます。
こうした従業員と企業にとってメリット・デメリットがある働き方改革ですが、従業員と会社で会話を通じ、工夫によって大きなメリットに転じます。
より生産性の高い仕事をするためにはどうしたらいいか、より効率的作業はないか、日本人労働者は知恵と努力が求められる時代に直面していると言えます。
フリーランスとの関連性
記事の冒頭で、フリーランスという選択をする方が増えているとお伝えしましたが、働く場所と時間にとらわれない働き方は、現代において賢い働き方になっているのではないでしょうか。
ここからは働き方改革が進む中で、なぜフリーランスが重要なのか説明します。
働き方改革における「フリーランス」の重要性
多くの働き方がある中、なぜフリーランスが注目されているかというと、その理由は時間と場所にとらわれないフリーランスならではの特徴にあります。
子育て・介護をしながら仕事をしている方が増えているため、仕事と生活を両立しやすいフリーランスは現代において最も理想的な働き方とも言えるのではないでしょうか。
国にとっても高齢化と少子化が進行する日本社会において、フリーランスで働く方が増えることは、前述した課題を少しでも抑え込む働きができるのではないかと期待されています。
現代の日本の課題に鑑みると、フリーランスはなくてはならない働き方改革のひとつと言えるのではないでしょうか。
働き方改革によるフリーランスへの影響
働き方改革によってフリーランスの働く環境にも変化が起こるかもしれません。
現在では、企業に所属している方と、フリーランスで働く方とでは受けられる制度に差が生じているのが現状です。
社会保険を例に挙げると、法人企業に勤務しないフリーランスの仕事では、社会保険に加入できない現状にあります。
健康保険の代わりとして個人で国民保険に加入ができてもその他の制度は利用できない環境ですが、フリーランスで働く方が増えている現代では、フリーランスでも利用できる介護保険や労災保険などの社会保険制度が新しく設定されるかもしれません。
また、フリーランスの方が新しい知識やスキルを身に着けるためには、基本的に個人の負担で講座や試験を受ける必要があります。
一方で企業に属していれば、企業の学習補助費を利用して新しいことにチャレンジができます。
フリーランスの方でも少ない負担で新たなチャレンジができるように、利用できる制度や保証が整うことに期待したいところです。
まとめ
今回この記事では、働き方改革の概要や背景、フリーランスが注目されている理由について説明しました。
働き方改革は知恵と工夫を凝らしてうまく取り入れれば企業と従業員にとって大きなメリットとなります。
また企業に属さず、時間と場所にとらわれないフリーランスという選択をする人も多くおり、今後さらにニーズが高まる働き方ではないでしょうか。
ニーズが高まっている働き方ですが、受けられる保証は企業に属している人と差があり、今後は働き方改革がフリーランスにも着手されるかが焦点となるでしょう。