クラウドソーシングサービスを展開している株式会社ランサーズが、フリーランスの働き方に関する調査を発表しました。
近年、人材不足を懸念する企業が増加しているだけでなく、多様な働き方を推進する動きが企業間で見られるようになり、フリーランスに対する需要が高まっています。
そんなフリーランスへのニーズが高まっている中で、フリーランス人口はどれくらい増加しているのでしょうか?
今回の記事では、フリーランスの働き方に興味がある方に向けて、フリーランスの働き方に関するデータを解説します。この記事を読むことで、フリーランス市場について理解を深められるので、ぜひ参考にしてみてください。
ランサーズがフリーランスの働き方に関する調査を発表
2021年11月12日、クラウドソーシングサービス「Lancers(ランサーズ)」を運営している株式会社ランサーズが、フリーランスの働き方に関する調査※1を発表しました。独立調査会社マクロミルにより、3,094人(過去12ヵ月に仕事の対価として報酬を得た20歳以上の男女)を対象にしてオンライン調査が実施されました。
新型コロナウイルスが拡大した後に実施された調査であるため、コロナ禍がフリーランス市場にどのような影響を与えたか知るために、多くのユーザーが調査結果に注目しました。
今回の調査で明らかになったフリーランス市場の主な特徴は以下の通りです。
- オンラインで働くフリーランスは効率的に業務を遂行している
- プロフェッショナルな意識を持ったフリーランスは7割以上
- 20〜40代のフリーランスはデジタルスキルを習得したいと考えている
次章からは、コロナ禍とフリーランス(フリーランス人口・経済規模)やオンラインを活用するフリーランスの働き方、フリーランスが抱える不安について解説します。2021年におけるフリーランス市場の動向を理解しましょう。
参照(※1):新・フリーランス実態調査 2021-2022年版
コロナ禍とフリーランス
フリーランス人口
フリーランス人口は2015年と比較すると、640万人以上増加しており、2021年の時点で1,577万人存在することが明らかになりました。労働人口の22.8%をフリーランスが占めていることになり、今後もフリーランス人口が増加していくことが予想されます。
なお、ランサーズ株式会社は、フリーランスを以下の4つのタイプに区分しています。
- 副業系すきまワーカー:常時雇用されているが副業としてフリーランスの仕事をこなすワーカー
- 複業系パラレルワーカー:複業系パラレルワーカーの定義:雇用形態に関係なく2社以上の企業と契約ベースで仕事をこなすワーカー
- 自由業系フリーワーカー:特定の勤務先はないが独立したプロフェッショナル
- 自営業系独立オーナー:個人事業主・法人経営者で、1人で経営をしているオーナー
それぞれのタイプごとの人口は以下の通りです。
- 副業系すきまワーカー:424万人
- 複業系パラレルワーカー:356万人
- 自由業系フリーワーカー:297万人
- 自営業系独立オーナー:500万人
また、単発で仕事を請け負うフリーランスも見受けられるなど、フリーランス人口の拡大に伴って、フリーランスの形態も多様化しています。
経済規模
フリーランス人口の拡大に伴って、2015年と比較すると経済規模も9.2兆円拡大していることがわかりました。2021年時点でフリーランス市場の経済規模は23.8兆円となっています。
ただし、2021年1月に実施した調査と2021年10月に実施した調査を比較すると、経済規模はやや減少傾向にあります。これは新型コロナウイルスが拡大したことにより、影響を受けた業界や職種があることが関係していると予想されます。
一方、2019年の経済規模は21.0兆円であったことを考えると、経済規模は2.8兆円増加しており、長期的に考えると増加傾向であることがわかります。
オンラインを活用するフリーランス
今回の調査によると、2021年10月までの1年間でオンラインで仕事を完結させたことのあるフリーランスは53.2%存在することが明らかになりました。新型コロナウイルの影響により、家からでも働けるオンラインという働き方を選択したフリーランスが多いことが伺えます。
フリーランス全体の平均報酬額が137.万円であるのに対して、オンラインフリーランスの平均報酬額は147.0万円となっています。また、フリーランス全体の平均勤務時間が13.3時間であるのに対して、オンラインフリーランスの平均勤務時間は12.5時間です。
つまり、オンラインを活用して働いているフリーランスは、短い時間で高い報酬を得ていることを意味します。オンラインフリーランスは、好きな時間や場所に仕事を進められるため、効率的に働けていることが予想されます。
現在は多くの企業がデジタル化を促進していることから、今後もオンラインフリーランスへの需要は高まっていくでしょう。