以前よりフリーランスというキーワードを耳にする機会が増えたのではないでしょうか?実際にフリーランスの人口規模は拡大しており、将来的にもフリーランスの数は増えていくことが予想されています。
フリーランス人口が増加している状況で、フリーランスの働き方に対する需要は高まるのでしょうか。今回の記事では、企業と案件を受ける側の観点からフリーランスへの需要について解説します。
この記事を読むことで、フリーランスへのニーズを理解しながら、自分に合った働き方を選べるようになります。
フリーランスが増加しているって本当?
ランサーズ株式会社が実施した調査※1によると、フリーランス人口は2020年から2021年のわずか1年間で500万人以上増加したことが明らかになりました。2021年においては、1670万人近くのフリーランスが存在し、労働人口の24%を占める結果となっています。
フリーランスが急激に拡大している背景には、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策としてテレワークを導入した企業が増加したことや、ステイホーム期間中の時間を有効活用しようと考える人が増えたことなどが挙げられるでしょう。
ワークライフバランスや働き方の多様性が重視されている現在、フリーランスとして働く人は増加することが予想されます。フリーランスが増加することによって、フリーランスに対する需要が低下してしまうのではと懸念する人も少なくありません。
次の章から、フリーランスの働き方に対する需要について確認していきましょう。
参照(※1):フリーランス実態調査 2021
フリーランスの働き方に対する需要
アデコ株式会社が実施した実態調査※2によると、フリーランスの働き方に興味がある人のうち、「会社員とフリーランスとの副業で働きたい」と回答した人が全体の71%に及ぶことが分かりました。つまり、完全にフリーランスとして独立するのではなく、サイドジョブの収入や経験を得たいと考えている人が多いということです。
実際に、インターネットなどで「副業」という言葉を目にすることが増えたのではないでしょうか。新型コロナウイルスの影響でテレワークが普及したこともあり、副業への需要は高まっています。
また、フリーランスとして完全に独立したい人も29%存在し、フリーランスの仕事による収入で生計を立てようと考えている人が一定数いることが明らかになりました。
参照(※2):会社員から見たフリーランスに対するイメージとその実態調査
フリーランスの働き方に対する需要が高い理由
理由1:収入アップしたいから
上記で紹介した調査※2によると、フリーランスとして働いてみたい理由として「現状の会社員の収入よりも、より高い収入を得たいと考えているため」と回答した人の割合が39.7%、「複数の収入源を得て経済的な安定を得たい」と回答した人の割合が36.3%であることが明らかになりました。
つまり、収入拡大を目的としてフリーランスの仕事を始めたいと考える人が全体の半数以上を占めるということです。複数収入源を持っておくことで生活費に余裕ができて、貯金などもしやすくなります。
また、テレワークで働いている人は時間に余裕が生まれたため、時間を有効活用したいと考えている人が増えています。
理由2:スキルアップしたいから
同調査※2によると、フリーランスとして働いてみたい理由として「現職で、希望する年収・ポジションに届かない際のスキルアップとして」と回答した人の割合が10%、「完全にフリーランスに転身する気はないが、会社以外の場所でスキルを試してみたい」と回答した人の割合が12%になることをが分かりました。
会社員の場合、組織にとって必要となる業務を中心に行うため、必ずしも自分の好きなことやスキルアップに必要な業務を担当できるとは限りません。しかし、フリーランスは基本的に仕事を自分で選んで決められるので、スキルアップするチャンスを掴むことができます。
スキルを身につけておくことで、将来フリーランスとして独立することも、会社に残って給与アップを狙うこともできます。そのため、フリーランスでスキルアップを目指す人が一定数存在するのです。
企業のフリーランスに対する需要
理由1:働き方の多様化が推進されているから
現在、個人に合わせた働き方を推進する企業が増えています。厚生労働省や経済産業省が中心となって、働き方改革や雇用によらない働き方を実現するための取り組みを実施しているためです。
以前と比較すると、フリーランスも一つの雇用形態として受容され始めています。そのため、フリーランスを活用する企業も数多く存在するのです。
現在はフリーランスに対する教育制度が整っていませんが、企業のフリーランスに対するニーズがより一層高まれば、フリーランスに研修やスキルアップ制度を適用する会社も見られるようなるでしょう。
理由2:労働力を補いたいから
少子高齢化が進行する現在、労働人口が減少していくことが懸念されています。さらに、企業は自社を成長させるためにも、労働力を確保したいと考えています。
そこで、スキルのあるフリーランスと契約を結ぶことで、会社員だけでは補えない業務をフリーランスに行ってもらい、労働力をカバーしようとしているのです。
実際に、プロジェクトの期間は会社員と同じように働く常駐型フリーランスも存在し、フリーランスの企業における活用が注目を集めています。
自分に合った働き方を目指そう
フリーランス人口は2021年で1670万人近く存在することがわかっています。将来的にもフリーランスの人口規模は拡大することが予想されており、自由な働き方は世間的にも受け入れられていくでしょう。
現在、企業で会社員として働いている人の中には、収入アップやスキルアップを目指してフリーランスの仕事をスタートする人が多いことが明らかになりました。また、企業は労働力をカバーするためにフリーランスを活用していくと考えられます。
職種にもよりますが、フリーランスに対する需要は将来的にも高まっていくでしょう。働き方の多様性が認められている中で、自分に合った働き方を見つけることが大切です。