フリーランスの働き方における問題とは?改善に向けた取り組みを紹介

自分のライフスタイルに合わせた働き方を実現できるフリーランスに憧れている人が多いのではないでしょうか?一方で、労働基準法が適用されないフリーランスの働き方には、社会保障制度やスキルアップ支援、休暇制度などの様々な問題があります。

今回の記事では、フリーランスの働き方における問題を3つの観点から解説していきます。この記事を読むことで、どのような問題が発生する可能性があるかフリーランスになる前に理解することができるので、ぜひ参考にしてみてください。

フリーランスの現状とは

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ランサーズ株式会社が実施した調査※1によると、2021年時点でフリーランスは日本に1,670万人存在することが明らかになりました。2018年でフリーランス人口は1,151万人であったため、3年間で500万人以上増加していることになります。

フリーランスが急激に拡大している背景として、新型コロナウイルスの影響が考えられるでしょう。感染拡大防止対策の一環でテレワークを実施する企業が増加し、多くの人が働き方を見直す機会となりました。また、通勤時間等が削減されたため、生活に余裕が生まれ、副業をスタートする人も多く見受けられるようになりました。

政府は労働力不足の問題を解決するために、働き方の多様化を促進しています。そのため、将来的にもフリーランス人口は増加していくでしょう。

雇用によらない働き方を実践する人の数が増加する一方で、近年はフリーランスの働き方における問題が重視され始めています。次の章で、フリーランスの働き方における問題を確認していきましょう。

参照(※1):フリーランス実態調査 2021

フリーランスの働き方における問題

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パンダくん
パンダくん
フリーランスの働き方を目指す上で知っておくべき問題には何があるでしょうか?ここでは、フリーランスの働き方における問題を3つのポイントに分けて紹介します。

フリーランスの問題1:仕事上のトラブル対策

プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が2019年に実施した調査※2によると、仕事を進める上で必要なトラブル対策として以下の項目が挙げられます。

  • 契約条件の明示
  • 契約内容の決定・変更・終了ルールの明確化
  • 契約の履行確保
  • ハラスメントの防止(セクハラ、パワハラ、マタハラなど)
  • トラブルの相談窓口

フリーランスと企業間で契約に認識の誤差があったり、契約内容が曖昧であったりなどのトラブルが問題視されています。

また、会社に所属している場合は相談窓口が設置されているケースがほとんどですが、フリーランスは仕事上で生じたハラスメントやトラブルに関して相談する場所が限られており、安心して働ける環境が整備されているとは言えない状況です。

参照(※2):フリーランスの課題と実態

フリーランスの問題2:仕事上のリスク対策

上記で紹介した調査※2によると、フリーランスが業務を遂行する上で必要なリスク対策には以下の項目が考えられます。

  • 最低報酬
  • 労働時間規制
  • 失業保険
  • ジョブマッチング機関(業務委託版ハローワーク)
  • スキルアップ/キャリアアップ支援・助成

現時点では、フリーランスが仕事を失った時の保険や、労働を支援する環境が整備されているとは言えません。

例えば、現在の労働者に対する教育システムは企業に依存する形態となっており、企業に属さないフリーランスが受けられるスキルアップの機会が限られています。自費でスキルアップ研修やキャリアアップ支援を利用しない限り、自己成長の機会を得ることができません。

そのため、フリーランスに対しても、会社員と同様に仕事上のリスク対策を強化する必要があります。

フリーランスの問題3:生活健康のリスク対策

同調査※2によると、生活健康のリスク対策が整っていない点が問題として捉えられています。生活健康のリスク対策の具体例は以下の通りです。

  • 出産・育児・介護などのセーフティネット(休暇や所得補填)
  • 労災保険
  • 健康保険組合
  • 厚生年金

企業に属している場合は、育児休暇や有給制度等を利用できることが多いですが、フリーランスの場合は仕事を休んでしまうと収入が発生しません。業務委託の案件を受ける際には、納期までに提出した成果物に対して報酬が発生する仕組みになっています。そのため、仕事ができない期間が発生すると収入源を確保することができないのです。

また、会社員には厚生年金と国民年金の両方が適用されるのに対し、フリーランスの場合は国民年金のみが適用されます。従って、退職後に受け取れる年金額に、フリーランスと会社員の間で大きな差が生じます。

会社員とフリーランスの社会保障の差

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パンダくん
パンダくん
フリーランスの中でも、社会保障に関して懸念している人が多く存在します。フリーランス協会のデータ※2を参考にしながら、会社員とフリーランスの社会保障の差を確認しましょう。
社会保障会社員フリーランス
失業保険×
育児休業給付・介護給付×
職業訓練給付×
労災保険 所得補償×
労災保険 傷病補償×
健康保険 被用者
年金保険
育児・介護休業×
キャリアアップ助成金××

会社員とフリーランスを比較すると、フリーランスの社会保障制度が不十分であることが分かります。

例えば、労災保険が適用されないフリーランスは、病気やケガで働けなくなった際に収入が途絶えてしまいます。

また、介護休業給付金や育児休業給付金がないので、生活にかかる負担もフリーランスの方が大きいのが現状です。

フリーランスの働き方における問題は改善される?

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フリーランスのような雇用によらない働き方は、労働力不足の対策として政府によって推奨されています。そのため、将来的にはフリーランスの働き方における問題が改善されていくといえるでしょう。

フリーランス人口は急激に増加しています。また、フリーランスによる経済規模も拡大しており、フリーランスの働きやすい環境を整備することへの関心が高まっているのです。

現時点では雇用によらない働き方を実現する際に、教育システムや社会保障制度などの様々な障壁がありますが、フリーランスになることで得られるメリットも多く存在します。

以下の記事で、フリーランスの働き方におけるメリットを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

https://skillsurfing.jp/?p=1296

自分に合った働き方を目指そう

今回の記事ではフリーランスを目指している方に向けて、フリーランスの働き方における問題を3つの観点から解説しました。

現時点では、契約条件の不明確さや労働時間規制、スキルアップ制度、出産・育児・介護などのセーフティネットなどが不十分で、あらゆる問題の改善が求められています。

しかし、雇用によらない働き方は政府によって促進されているワークスタイルであるため、将来的にフリーランスが働きやすい環境は整備されていくでしょう。
フリーランスになることで得られるメリットは数多く存在するので、フリーランスの働き方における問題とメリットを踏まえた上で、自分に合った働き方を選択することが大切です。

パンダくん
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