フリーランスの自由なワークスタイルに憧れて、雇用によらない働き方を目指している人が多いのではないでしょうか？
近年は、フリーランスとして働く人の数が急激に増加しており、注目が集まっています。フリーランスを目指している人の中には、最初に会社で働いてからフリーランスになるべきか悩んでいる人も見受けられます。
そこで、今回の記事では、最初に会社で勤めてからフリーランスになる5つのメリットを解説します。この記事を読むことで、まずは会社員になるべきか、いきなりフリーランスとして独立するべきか判断できるようになるので、参考にしてみてください。
最初に会社で勤めてからフリーランスに転身する人は多い？
中小企業庁が実施した調査※1によると、フリーランスになる前の職業に関して、中小企業の役員・正社員と回答する人の割合が56.5%、大企業の役員・正社員と回答する人の割合が15.3%であることが明らかになりました。
つまり、一度会社員を経験してからフリーランスに転身する人が、全体の70%以上を占めるということです。そのため、最初は会社員として働き、スキルを身につけてからフリーランスの働き方を実現する人が多いことが分かります。
また、フリーランスになる前職の従事年数に関しては、回答者全員の平均従事年数は約11年となっています。つまり、ある程度の期間、会社で実務経験を積んでからフリーランスとして独立しているということです。
フリーランスになる前に会社員として働くことで、どのようなメリットを得られるのでしょうか？次の章で、最初に会社で勤めてからフリーランスになるメリットについて確認していきましょう。
参照(※1):フリーランスの実態
最初に会社で勤めてからフリーランスになる5つのメリット
メリット1：スキルを身につけられる
会社で実務経験を積むことで、フリーランスとして活躍するのに十分なスキルを身につけることができます。研修制度が整っている会社では、業務中に研修を受けられるため、効率的にスキルアップを目指すことが可能です。
現在はフリーランスの人口が急激に拡大していますが、フリーランスに対する教育システムの不十分さが課題として捉えられています。既存の教育システムは、企業に属することが前提となっており、フリーランスがスキルアップするには、自費でスクールに通ったり、講義を受けたりする必要があるのです。
さらに、スキルがないとフリーランスとして生計を立てることは不可能に近いでしょう。クライアントは仕事を希望通りに仕上げてくれる即戦力を探しているため、スキルがないフリーランスは仕事を獲得できない、もしくは低単価の案件しか回ってこないなどの事態に陥る可能性があります。
そのため、スキルを身につけて、好条件の案件を獲得するために、最初は入社を選択する人が多いのです。
メリット2：コネクションが広がる
最初に会社で働くことで、人脈を広げることができる点もメリットに挙げられるでしょう。フリーランスとして仕事を獲得するには、コネクションが重要な役割を担います。そのため、会社で業務を行いながら色々な人と関わることで、将来のクライアントになる可能性のある人と繋がることができます。
フリーランスはインターネットやSNSなどを活用して仕事を探すことができますが、コネクションを利用して仕事を獲得している人も多いです。また、クライアント側も、昔から付き合いがあり、スキルや経験についてある程度把握している人の方が依頼しやすくなります。
フリーランスとして独立する際に、仕事を獲得できるか不安という方は、まずは会社員からスタートすると良いでしょう。
メリット3：安定した収入を確保できる
フリーランスは案件ベースで収入が発生するため、収入が不安定な点が特徴的です。
実際に、ランサーズが実施した調査※2では、あなたが自由な働き方を続けていく上での障壁は何ですか？という質問に対して、収入がなかなか安定しないと回答した人の割合が40%を占めることが分かりました。
一方で、会社員は安定した収入を得ることができるため、収入面に関する懸念が軽減されます。体調不良の際も有給を利用できたり、福利厚生が整っていたり、安定した収入を得やすい仕組みになっているのです。
そのため、会社員時代にある程度貯金をしておけば、フリーランスで収入が安定しない場合でも、生活資金の心配をする必要がありません。将来的にフリーランスに転身することを考えている人は、計画的に貯金を行っていきましょう。
参照(※2):フリーランス実態調査 2021
メリット4：契約をスムーズに完了できる
近年はフリーランスが増加しているものの、依然としてフリーランスに対する社会的信用が高いとは言えません。自由に働くことができて、収入が不安定なイメージのあるフリーランスに対して、安定した収入を得ている会社員の方が信頼されやすい傾向にあります。
例えば、クレジットカードの申し込みやローンの契約をする際、会社に所属していることが分かれば、スムーズに契約を進めることができます。しかし、フリーランスの場合は審査に時間がかかるなど、スムーズに契約を完了できない場合があるのです。
そのため、会社に所属しているうちに、上記のような契約関係を済ませておくことをおすすめします。
メリット5：社会人のマナーが身に付く
いきなりフリーランスとして独立してしまうと、社会人のマナーを身につけるのは難しい可能性があります。
入社後の新人研修や、上司や取引先とのコミュニケーションを通して、社会人としてのルールを理解していくのが一般的ですが、フリーランスの場合はコミュニケーションの場が限られる可能性があるためです。
そのため、自分で社会人のマナーを学ぶ場を設けない限り、社会人としてのスキルは身についていきません。クライアントとやり取りを行う際や、会議に参加する際にどのように振る舞えば良いか分からないというフリーランスも存在します。
従って、社会人としてのスキルを身につけるため、最初は会社で働くことを選ぶ人が多いのです。
スキルを身につけてフリーランスの働き方を実現しよう
スキルがあればいきなりフリーランスとして独立しても案件を獲得できますが、継続して仕事を受けるには、まずは会社で実務経験を積むことが大切です。
会社に所属することで、スキルアップや安定した収入の確保、コネクションの形成など様々なメリットを得られます。しっかりと実力を身につけた上で、フリーランスの自由な働き方を目指しましょう。
