働き方改革やコロナ禍の影響で副業を解禁した企業がも多く、副業から始めたビジネスを本業としてフリーランスに転向する方が増えています。
フリーランスと言えば在宅で、一人黙々と仕事をこなすイメージがある方も多いかもしれませんが、そんなイメージとは異なる働き方のフリーランスも存在します。
「常駐型フリーランス」と言い、自宅や個人オフィスで働かず、取引先のオフィスで仕事を行うスタイルです。
今回は常駐型フリーランスの実態について紹介し、在宅フリーランスと異なる点や、メリット・デメリットについて触れていきます。
常駐型フリーランスって何?
働く場所と時間に縛られないのが魅力のフリーランスという働き方で、
「わざわざ取引先のオフィスに出向き仕事をする意味があるのか」
と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
概要
記事の冒頭でも触れましたが、常駐型フリーランスは在宅ワークではなく、契約している企業のオフィスに出向き、仕事をするスタイルのフリーランスです。
企業との契約は、1~3カ月のスパンで契約・更新を行い、主にITエンジニアを始めとした職種で広まりつつあります。
受け取る報酬は、企業と契約を締結した際に定めた金額で、定められた期間分支払われます。
在宅との違い
フリーランスとして働く人は、基本的に在宅ワークで働きます。
個人で企業と契約をする点は常駐型フリーランスと変わりはありませんが、働くスタイルと、受け取る報酬は在宅フリーランスと常駐型フリーランスの間に大きな違いがあります。
在宅フリーランスが企業と契約する方法の中に、請負契約と準委任契約が存在します。
請負契約は仕事の成果・結果に対して報酬が支払われ、準委任契約は仕事の成果ではなく、一定の処理業務に対して報酬が発生します。
上記の契約を行った後、決められた期限までに在宅で業務を行うため、働く時間・場所には縛りがないのが特徴です。
そのため、子育てや介護をしながら働きたい方におすすめな働き方です。
一方、常駐型フリーランスは契約を行った企業のオフィスで業務を遂行するため、働く時間・場所は、その企業のルールの下に従う必要があります。
実際に企業に出向き働くことで、企業の高いニーズを確認しながら業務を行えるので、さらなるスキルアップや自身のアイディアを広く発信したい方におすすめです。
常駐型フリーランスのメリット・デメリット
前述したように、常駐型フリーランスは契約した企業に出向き、業務を行う必要があり、在宅フリーランスよりも自由がなく、デメリットに感じる方も多くいるのではないでしょうか。
しかし、常駐型フリーランス特有のメリットも存在します。
メリット
- 収入が見通しやすくなる
フリーランスは個人で営業をかけ、案件を受注しなければ報酬を獲得できません。
そのためフリーランスの収入は安定しないイメージを持たれる傾向にあり、クレジットカードやローンの審査が通りにくいのも事実です。
しかし、常駐型フリーランスは1~3カ月など、一定のスパンで契約・更新を行うため、契約期間の収入はある程度安定して獲得ができます。
- 獲得できる案件の幅が広がる
企業がフリーランスに仕事を依頼する時は、少なからず企業の情報やノウハウを伝える必要がありますが、セキュリティーの観点から企業はこれを好みません。
こうしたことから、フリーランスには現場で作業をしてほしいと考える企業は多く、常駐フリーランスの方が受けられる案件の幅が広がります。
- 大企業の案件も参画しやすくなる
常駐型フリーランスの案件は、そのほとんどがエージェント会社を介しての契約になります。
エージェント会社には大手企業の案件もあり、個人では契約することが困難な企業の案件も獲得しやすくなります。
- 高いモチベーションで高い経験値が積める
契約している企業に出向き、企業の高いニーズに応えながらの業務になるため、その分高い経験が積めます。
また、企業先のプロジェクトチームに加わることもあり、経験豊富なエンジニアのスキル・ノウハウを受け取る機会も生まれます。
高いモチベーションを維持し、自身がスキルアップしながら業務を行えるのも常駐型フリーランスの魅力のひとつです。
デメリット
- 決められた日・曜日に出社しなければいけない
記事の中で述べてきたように、フリーランスであるものの、会社が定めた日・曜日に通う必要があり、時間と場所に縛られたくない人にとっては不向きな働き方です。
常駐案件の募集の中には、週1~2日出社といったものも存在はしますが、ほとんどの案件が週5日の出社が求められます。
自身のライフワークバランスを鑑みて常駐案件への参画を検討してみてください。
- 急な契約解除も発生する
常駐型フリーランスは企業の社員ではないため、企業の方針が変わったり、企業の業績が悪化したりすると契約を解除される可能性があります。
特に現在のコロナ禍では、企業の経費削減として委託業務の内製化する企業も少なくはありません。
- 会社員よりも責任が重い
企業は在籍する社員と委託するフリーランスに求めることは大きく異なります。
社員の場合は、会社全体のバランスを加味したタスクを与えられ、時には成長するための難しい案件を任されることがありますが、失敗してもいいという前提で与えられます。
一方、フリーランスには、委託した業務を求めた質で必ず完結することが求められるため、失敗が許されず、会社員よりも責任が重くなるでしょう。
まとめ
今回は、常駐型フリーランスという働き方の実態について触れ、そのメリットとデメリットを整理しました。
働き方が多様になってきた現代で、フリーランスの働き方にも変化が生まれつつあります。
それぞれの働き方の特徴は一長一短で、どちらがいいと決められるものではありません。
自身が求めるワークスタイル、自身の生活スタイルを総合的に考え、どういった働き方が好ましいのか精査する必要があります。
この記事が、皆様の働き方を決める手助けになれば幸いです。